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■スケート関連書籍の紹介

 スケートの練習に関連した書籍をご紹介致します。まずは現在刊行されている本から。

美しく舞うためのフィギュアスケートレッスン新版

 この本の画期的な点は、何をさておいてもDVDが付いているという点です。本の内容はともかく、DVDで実際に技を詳しく説明しているので、これを見るだけでも、ある程度の技は習得できると思います。本には、エッジワークについての図説が付いていて、これもわかりやすいです。普通に見ただけではわからないことでも、DVDであれば、スロー再生や一時停止などを利用して、細かくチェックする事も出来、大変便利です。
 内容的には、初心者からしっかり覚える為の、靴の履き方や氷上歩行から、説明されています。最終的にはアクセルジャンプまで掲載されています。さすがにアクセルは難しいとしても、細かな技のチェックが出来るので、後々まで役に立ちます。
 初心者がスケートを初めて練習する場合、一体どうやって練習したら良いかさえ、わからないものです。その入り口としては、これまで存在したどんな教本よりも、優れています。練習前にDVDで見ておけば、氷上で何をやれば良いのか、すぐにわかります。出演しているモデルの女の子も、現在では大会に出場するほどの選手です。監修は、伊藤みどりや浅田真央を教えた山田満知子先生。DVDに収録されている技も、完璧なものです。

 

華麗に舞う!魅せるフィギュアスケート50のポイント

 中級者以上向けの本で、フィギュアスケートの技に関して、ポイントを解説する形式の本です。図解に沿ってやり方を説明した本ではなく、参考書的な内容です。この本だけで技をゼロから覚えるのは、難しいかと思います。しかし、教室に通っていたり習っていたりする方にとっては、実践的でとても参考になります。練習で行き詰ったり、どうしても上手くいかない場合など、上達する為のヒントが細かく書かれています。
 技をなぞっただけの本とは違うので、理解するにはそれなりの練習が伴うかも知れませんが、ここまで具体的に解説された本は、他にありません。ある程度の基本は、インターネットでも学ぶ事が出来る現在、こうした内容の本こそ買う価値があるともいえるでしょうか。個人的には、技を覚えれば覚えるほど、やる事が高度になればなるほど、この本が俄然役立つようになってきます。初心者にとって全く役に立たないかというとそうでもなく、このサイトでいう中級段階に至ったなら、騙されたと思って構いませんので、是非買って読んでみて下さい。絶対、役に立つはずです。
 モデルはシンクロの選手。監修は、シンクロの草分け的存在、大森芙美先生。

 DVDでもっと華麗に!魅せるフィギュアスケート上達のコツ50 (コツがわかる本!)

 上の華麗に舞う!魅せるフィギュアスケート50のポイントのシリーズと同じメイツ出版のコツがわかるシリーズですが、美しく舞うためのフィギュアスケートレッスンと同様、DVDの付いた教本です。上記2冊の内容とかなり重複しますが、こちらのDVDは本に則り、より細かい技にまで踏み込んでいます。本誌の説明も写真と注意書きが多く、初心者が初めて挑戦する場合でもわかりやすい内容になっています。さらに、華麗に舞う!魅せるフィギュアスケートと比べても、さらに進んだ技について書かれていて、上級に達しても役に立つことでしょう。
 この本の特色としては、DVDのモデルが大人のスケーターという点かもしれません。
美しく舞うの場合、モデルが小さな女の子なので、大人の感覚とは少し違う点がありました。例えばジャンプの跳躍力や、スピンの回転力など、大人と比較すると同じようには出来ないものがありました。もちろん子供向けとしては望ましいのですが、同じことを大人の初心者がやろうとすると、難しいと感じる側面も否めません。その点こちらのDVDはモデルが熟練の大人なので、感覚的には大人のスケートに即したものとなっています。既に上記2冊をお持ちの方でも、何かしら参考になる点は必ずあると思います。
 モデルはシンクロの選手。監修は、プロスケーターでインストラクター、スケート映画「COACH」の主演、西田美和先生。

フィギュアスケート 美のテクニック

 こちらの本は、現在書店で手に入る教本の類のうちでは、最も上級の内容といっても過言ではありません。この本でスケート初心者が基礎から学ぶというのは無理でしょう。しかし、中級以上の技をお持ちのスケーターであれば、絶対手にするべき良書です。
 内容は、現在のフリースタイルに則ったプログラム構成を目指すもので、その採点基準を示しながら各技の解説に踏み込んでいます。巻末には感情を表現するような技術、イナバウアー・イーグル・ピボットのバリエーションなども紹介しています。
上級レベルに達し、一通りの技が出来る段階で最も役に立つだろう本です。マスターズを目指す大人スケーターにとっては、ある意味でどんな解説書よりも役に立つかもしれません。何故なら、感情の表現について具体的に語ったフィギュアスケートの教本はこれだけだからです。
 技が高度なだけに、教本としては不足が多すぎます。しかし、フィギュアスケートで必要とされている要素に最も迫った、画期的な本に間違いありません。競技会で上位を目指す選手はもちろんですが、体力的・年齢的に限界に達した大人スケーターに最もオススメしたい本です。そういう意味では、この本はフィギュアスケーターが最後に行き着く本といっても、過言ではないかもしれませんね。
 モデルはプロスケーターの太田由希奈さん、監修は札幌オリンピック代表でインストラクター、TV解説などでも活躍している樋口豊先生。

もっと深く「知りたい!」フィギュアスケート

  どちらかというと教本ではなく、解説書です。対談形式の質疑応答になっていて、荒川静香選手のインタビューなども収録されています。技の練習などにはあまり役に立たないかも知れません。しかし内容的に不足かというとそうでもなく、ルールや衣装、練習方法などをざっくりと説明しているので、お子様を習わせているお母さんなどには、最適です。また、スケートを観戦する時には充分参考になる内容です。趣味でスケートをなさる方々にとっても、別の視点から考察できるものかと思われます。もちろん選手であれば、是非一読をお奨め致します。

絶版の古書

 続いて、既に絶版となっているものです。入手が困難なものもあり、古書店で見つけたら早めに買っておいたほうが良いかも知れません。特に、コンパルソリーに関連する本は、近年は入手が難しくなっています。資料的な意味も含め、貴重な本です。

フィギュアスケート図解コーチフィギュアスケート (スポーツシリーズ 図解コーチ) フィギュア中~上級者向け

 1984年に刊行され、1994年に改訂版が出版されていますが、現在は絶版。古書店にあるのみです。初版本はコンパルソリーに終始した内容でした。改訂版には、セミサークルを利用した練習方法が補足的に書かれていて、現在の練習方法でも役に立つ内容です。コンパルソリーが競技にあった時代の本ですから、当然それについての解説は随一。資料としても貴重な存在です。写真はコマ数が多いものの動きは分かり難いかも知れません。その代わりエッジワークの図説が多く、解説も充実しています。ポケットサイズの本なので、スケートリンクに持っていくのも良いかと思います。

スケート教室スケート教室―君も名選手になれる (ジュニア・スポーツシリーズ) スケート初心者~フィギュア中級者向け(スピードとホッケーの説明あり)

 子供向けの入門書ですが、大人でも充分に参考になります。ひらがなが多く、小学生でも充分に理解できる体裁です。もちろん内容は、子供向けと言っても侮れるものではありません。フィギュアだけでなく、ホッケーやスピードスケートの解説も含まれています。趣味で楽しまれる方には、最適な内容かも知れません。フィギュアについても初級~中級的な練習がそこそこ書かれています。コンパルソリーの時代らしく、サークルなどがしっかり書かれています。フィギュアの練習にも充分に参考になる内容です。氷上歩行からわかりやすいイラストで描かれているので、初心者にも最適。親子で読める本としても、貴重な存在です。

スポーツVスケート教室 (スポーツVコース) スケート初心者向け

 今となっては珍しい、かなり初心者向けの本です。フィギュアのスケート靴を履いて練習していますが、フィギュアスケートに特化した練習内容ではありません。内容としてはプレーンスケーティングに終始しています。セミサークルまでを覚えるのが目標で、コンパルソリーは図形が示されている程度です。モデルは子供ですが、内容的には初心者の大人向けかも知れません。今の子供は、フィギュアであればあっという間にスピンやジャンプを覚えていきますので、この本では役不足です。全く滑ったことのない初心者と、基本だけでもしっかり滑りたいという大人にとっては、これ以上細かく基本滑走に徹した本もないので、最上の良書となります。ある意味では、先に紹介したDVDではどうしても理解できない、よくわからないといった場合に、ヒントとなる内容といえるでしょうか。或いは、プレーンスケーティングを教える指導員などにとっては、良いテキストです。

基本レッスン スケート基本レッスン スケート (Sports graphics) フィギュア初級者向け

 際立っているのはISIJテストに則って進められていることと、一部伊藤みどりがモデルだということです。コンパルソリーが廃止されて間もない頃で、それについてはほとんど書かれていません。そういう意味では、古書の中では現在の指導スタイルに最も近いものかも知れません。ISIJのテストを受けるなら、当然最も適した教書となります。基本の内からフィギュアスケートをしっかりと身に付けたいと考えるなら、後にも先にもこの本が最適です。但し図説は少なく、その点でも軌跡やコンパルソリーから離れようとする向きを感じます。完全な初心者には、少し難しい内容かも知れません。それだけ、フィギュアの基本に忠実な内容です。フィギュアスケートなどの歴史にも少し触れていて、資料性もそこそこある本です。

NHK趣味悠々氷上に心おどる!アイススケーティング滑る楽しさを体感しよう (NHK趣味悠々) スケート初心者~フィギュア初級者向け

 ここで紹介している古書の中では、最も新しいものになります。NHKの番組テキストで、荒川静香のインタビューが掲載されています。内容的には、最もざっくりとしています。イナバウアーなどに挑戦する向きからしても、かなり異色です。テキストというよりは現在刊行されている、フィギュアのムックに近いかも知れません。写真が大判でわかりやすいのは利点です。資料性はともかく、発行部数の少なさも相まって、古書価格が高めになっています。教本としては、TV番組に沿ったもので、無理して入手するほどの内容ではありません。指導は、バンクーバーオリンピックに出場した鈴木明子のコーチ、長久保裕先生。荒川静香を教えた事もあり、荒川静香との対談はなかなか興味深いです。

つづく  24/02/01 15:59 更新

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