Kunadonic ロリータファッション徒然草

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axes femmeとロリィタ

 
 

 2000年代中頃から特に郊外のメガモールで出店を重ね、あっという間に全国展開したブランドが、言わずと知れたaxes femmeです。ロリィタの皆様なら好き嫌いに関わらず、何かしら興味を持たれたことがあろうかと思われますが、如何でしょうか。ヨーロピアン&ノスタルジーをテイストに、パーティーからカジュアルまで、KIDSから中年齢層まで幅広く商品展開しているブランドです。

 axesは間違いなくメジャーブランドで、販売規模は既存ロリィタファッションとは比較にならないでしょう。当然その価格も小慣れていて、一般的なショッピングモールに並ぶお店とほとんど変わりない値段です。ロリィタをカジュアルダウンする際にもコーディネートしやすかったり、ロリィタで行くにはちょっと憚るシーンでも着やすかったり、ロリィタを着こなす上でも何かと便利なんです。特にバッグやアクセサリーなどの小物が充実している点も見逃せませんね。こうした小物はロリィタで揃えると色々悩ましく、値段とか、教科書通りのコーデとか、変化をつけるのが難しかったりします。そういう場合にaxesを持ってくると、これが程よくマッチするので助かるんですよね。

 さてこのaxes。僭越ながら好きです。普段着として重宝しています。ロリィタの皆様にも実はファンが多いのではないかと思っていますが。ただもちろん、このaxesはレースがふんだんに使われ、欧州の古き良き時代を思わせているとしても、基本的にはロリィタファッションではありません。MILKPINK HOUSEが違うのと同じですね。

 最近のaxesは、ロリィタファッションの殿堂、原宿のラフォーレに出店したり、若者向けのkawaiiラインを展開したり、俄かにロリィタファッションに接近しつつあります。賛否はあるようですけど、概ね好評のようです。これまでのメジャーブランドといえば、何かにつけ「ロリータじゃない」と一線を引くことがほぼ当たり前でした。こうしたロリィタではないブランドでも、ちょっとロリィタぽいデザインを取り入れたりするのは、個人的には大歓迎です。だって可愛いじゃないですか。

 ただkawaiiラインやPoetiqueラインの販売は店舗が限られています。既存のaxes製品とは比較にならないくらい、製造数も少ないはずです。それでも、axesのラインでロリィタライクなデザインを持ってきた意味は大きいでしょう。axesがロリィタの認知を広め、ロリィタブランドもさらにファンを増やせるなら、ロリィタファッションにとっては願ってもない発展に繋がります。axesにとっても、幅広い年齢層のイメージとは違う方向性を示すことで、販路を拡大できるはずです。ただヨーロピアン&ノスタルジーの路線は絶対にブレないでほしいですね。普段着にもし易いライトなファッションを、これまで通り作り続けてもらえたなら、私としては満足です。

 ロリィタにとってaxesは、ロリィタとカジュアルの間の、グレーゾーンをカバーするとっても便利なブランドなんです。しかも安くて店舗が多い。こうした曖昧なポジションにあることで、カジュアルからロリィタへの橋渡し役にもなっています。昔ロリィタしてみたかったけどaxesを着ているうちに火がついたとか(私はこれに近いです)、axesからロリィタにも興味が出てきたとか、そんな入口でもあります。カジュアルブランドだからこそ、メジャーブランドだからこそ、その計り知れない潜在能力は侮れません。正直申し上げて、今やロリィタにとって無視のできないブランド、それがaxes femme。決して言い過ぎではないと、そう思うこの頃です。

 
 

 

 

Since 2016 UPDATE 22/04/07 00:00
Access Date/Time 24/03/19 15:35

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