Kunadonic ロリータファッション徒然草

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ロリィタの定義

 
 

 ロリィタの定義って何?

 そう考えてみると、実は意外と曖昧なんじゃないかと思います。

 まずバイブル健在だった当時は、そこに掲載されるブランドがロリィタブランドでした。季節ごとに新作が掲載され、普段興味が薄いブランドに興味が湧いたり、毛色の違うブランドに魅力を感じたりしたものです。バイブルに掲載されないなら、そもそもロリィタブランドかどうか怪しかったですし、レースやフリルがあったとしてもPINK HOUSEだったり森ガールだったり、ガーリー系ブランドだったりした訳です。axes femmeなどもそうですね。

 まずバイブルありきで、それを補完するのがmixiだったりtwitterだったりしました。良くも悪くもバイブルが情報の統合でしたし、それを越えるものも存在しませんでした。

 そして現在はバイブルが休刊し、ロリィタブランドを一堂に取りあげる誌面はなくなりました。不定期で雑誌は刊行されたりしていますが、ブランドの偏りがあり、バイブルを越えるブランド数を掲載するには至っていません。

 私が思うに、こうなった時点で最早、ロリィタブランドを定義する枠組みそのものが崩壊し始めたものと認識しています。たまに発売される雑誌に載らなかったらロリィタじゃないのか? そんなことはありません。同時に、これまでロリィタとは無縁だったブランドが、ロリィタに近づいてきてもいます。顕著なのはaxesのKawaiiラインでしょう。他AmavelAnkRougeも寄せてきている感触があります。老舗ロリィタブランドが少しガーリーなものを出してきたり、これまでのロリィタらしからぬデザインを少しずつ出してきてもいます。こうなると、長年のロリィタファンでさえその定義を厳密に述べるのも難しくなってしまいます。パニエの入らないようなワンピースをロリブラがだしたらそれはロリィタなのか? ガーリーブランドがボリュームのあるJSKを出したらロリィタじゃないのか?

 頼りにしていたバイブルなき今、ロリィタという枠組みを越えて、それぞれのブランドが独自の道を歩み始めているようにも私には思えるのです。大同小異の各ブランドではなく、それぞれが独自の道を追求していけば、どんどんと違ったものになっていくでしょう。ロリィタは二番手商法の通じるマーケットではないと私は思っていて、似たようなデザインや柄でどんどん売れていくものではない気がします。何処かでみたようなものなら既に大抵持っています。余程消耗していなければ手にすることもないでしょう。ある意味で、ロリィタ服そのものが大同小異なのですから。

 私は、各ブランドの一人歩きには大いに賛同します。ロリィタで特に嫌われたコピー商品やコスプレまがいと同様に、他のブランドの真似ばかりでは見向きもされなくなります。長い歴史を誇るブランドであれば、そのエッセンスを今も携えている筈で、そこに絶大な魅力があったからこそ、今に至っても健在なんだと思うのです。デザイナーの変遷はあったにせよ、ブランドは消えていません。

 メディアが先かブランドが先か。その答えは、私は後者だと思います。バイブルは確かにロリィタの統合でしたが、主役はブランドであり、商品だった筈です。仮にどれかひとつでも欠けようものなら成立したかどうか。その答えは、まさに今の現実ではないでしょうか。そして今は、ブランドの持つ個性がこれまで以上に注目され、重要視されているように感じます。カテゴリーというこれまでの考え方が通用しなくなるような意欲作もちらほら見かけます。そういう意味でも、時代は大きく変わりつつあるんだろうなと、私はみています

 
 

 

 

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