パニエにも色々な種類があります。大きく分けると、腰にボリュームのあるパニエと、裾を広げるAラインのパニエに分かれると思います。
まず腰にボリュームのあるタイプからです。
これには、ヒップを膨らませるバッスルパニエも含まれるでしょうか。主にウエストラインから横に広がるように作られていて、ゴム部分から何枚もチュールを重ねた作りになっているものが多いです。基本的にはミニドレス用のもので、裾を広げるというよりは、スカート全体を横に持ち上げるような作りになっています。
軽いスカートにあわせて作られていて丈も短いので、ロリィタ服に合わせると、腰だけが膨らむ格好になります。文字で形を表すと、「∩」の形になります。これ一枚では若干ボリューム不足ですが、カジュアルダウンする際や、バーゲンセールなどであまり裾を広げたくない場合は、これ一枚で済ますのも手かも知れません。ただやはり、ロリィタとしては物足りないでしょうね。
続いて、裾が広がるタイプです。
基本的な作りはティアードスカートと同じで、裾に行くに従って蹴回しの長さがギャザーでどんどん長くなります。通常2~3段を縫い合わせてあります。ロリィタ服に合わせると、腰から直線的なAラインに広がるタイプが多いです。文字で形を表すと、「∧」になります。ロリィタブランドの「ふんわりパニエ」「ボリュームパニエ」といった名前で売っているもののほとんどがこれですね。
これらに含まれない特殊なパニエもあります。
クラロリで重宝しそうなロングパニエや、あまりボリュームのないペチコートタイプのものもあります。パニエは下着なのでスカートで全て覆うのがお約束ですが、ロングパニエにはチラ見せを前提に裾にレースなどの装飾を施されたものも、少ないですがあります。コーディネートの難易度は高いですが、うまく合わせられれば、裾のレースが何段にもなって豪華に見せることもできます。が、ロリィタさん的にはやっぱり見せるものではない、という観念が強いですから、そうしたコーディネートもカジュアルダウンの一つと解釈するのが無難かも知れません。ギャル系ファッションや森ガールでは、逆にチラ見せするのがカワイイという傾向があることも、一応付け加えておきます。
ロリィタさんの着こなしでは、パニエを二枚重ねるのがお約束のように言われています。ただ、どう重ねるのか、何を重ねるのか、本人の工夫と創意に任されている部分でもありますね。
私もパニエは、通常二枚重ねをします。上に着るパニエは、腰から膨らむショートのチュールパニエで、その下にティアードのボリュームパニエを着けます。この組み合わせですと、「∩」の形で腰から広がり、裾も「∧」の形で大きく持ち上がります。ちょうどロココ時代のドレスと同じような、釣鐘型のスカートになります。
さて「∧」型のチュールパニエですが、先日「一番広がるパニエはどれ?」と思い立って、探してみました。
方々を回り実際に手に取って確認したり、ネットで情報を調べてみたり、色々と検討した結果。ついに最強の超ボリュームパニエを見つけました。まあご存知の方も多いでしょうけど……、それはMAXICIMAMのミルフィーユパニエ(8PP888M)です! 裾周りがなんと12.5mにもなる超ボリュームパニエで、その膨らみ方は他のどんなボリュームパニエも敵いません。とにかく凄い広がり方で、混んでいる場所では人の間を抜けるのも大変なくらいです(笑)。 電車の椅子に座ると、左右に膨らむスカートを腰の下に入れるのも必死で、背中にクッションを挟んでいるような感覚になります。地下鉄の階段では風で捲れ上がるし、すれ違う人が大きく避けて行くのにも恐縮します。…と、まるで欠点のように語りましたが、その優越感! 圧倒的なボリューム! ロリィタの真骨頂ここに在り。このボリュームを味わうためにロリィタをやってるんだ、そう錯覚するほど凄いんです。
シチュエーション、例えば混雑が想定されるバーゲンセールなどでは、はっきり言ってこれは大変ですが、そうでなければ、このMAXICIMAMのミルフィーユパニエは断然お勧めです。普通にAラインを作りたいのであれば、これ一枚で解決します。他とは比較にならない膨らみなので、多少痩せてきても他のものと同じように使えますから、長い目で見てもお得です。
それから、裏地がコットンのパニエは夏場に重宝しますね。夏は暑くてスカートの中も蒸れます。化繊の裏地ですと、足にまとわりついて余計暑く感じますが、コットンならさらっとしていて快適ですね。ロリィタブランドでも裏地が綿のものは少ないので、もし見つけたら即ゲットです。
最後にパニエのお手入れですが、張りのあるポリエステルだとドライクリーニングになってしまいます。痩せてきた場合は、低温のアイロンで伸ばせばある程度復活します。それでもやっぱりだんだん痩せてくるのは仕方ないですね。使いまわすことが多いだけに、ダメージも激しいということでしょう。消耗品と考えた方がいいのかも知れません。 |