Kunadonic ロリータファッション徒然草

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フォーマルシーンとドレスコード

 
 

 ロリィタファッションは元々、ストリートファッションです。ですからその解釈では、フォーマルでもセミフォーマルでも駄目ということになります。ですけどね…。

 和食の江戸前寿司は、元々は屋台料理でした。それが今では世界中で、高級料理として扱われています。そうした変遷を理解していれば、ロリィタファッションもフォーマルに近づけることは不可能ではないと思いますし、セミフォーマルで何ら問題ないと解釈される可能性も特に、上品なクラシカルや控えめなデコラティブには有り得るだろうと、そんな気が最近しています。

 もちろん、旧来よりフォーマルシーン、特に結婚式などでは無理、難しいという解釈がありました。元より正装を求められるシーン、入社式など絶対不可能ですし、親戚へのご挨拶などもわざわざ理解を苦しめに行くようなものです。しかしながら、高級ホテルのレストランでドレスコードが指定されていても、最近はかなり柔軟な解釈がされている場合も多いです。例えば浴衣。浴衣といえば、和装ですがTシャツと同じ普段着ですから、セミフォーマルでも本来は無理です。でも浴衣OKという事例が最近あるようですね。それはアジア各国の伝統衣装にも準じているようです。伝統衣装そのものが普段着ない余所行きのファッションとなり、その結果セミフォーマルの扱いに高められた訳です。これは、江戸前寿司の変化にも似ていると思えませんでしょうか?

 ロリィタファッションは確かにストリートファッションでしたが、その実態はかなり高価ですし、シチュエーションを選ぶようなデコラティブな物も最近特に増えてきました。最早客観的に見ても、フォーマルドレスに匹敵する程の美観を備えています。ロココ時代のドレスを踏襲しているというのもその裏付けです。ですから、フォーマルドレスとしても充分に通じる要素は元々備わっていると、私自身は解釈しています。

 ただ、フォーマルシーンについては、ロリィタファッションに理解の及ばない方々が必ずいます。そうした場で「うつけ者」を演じるのは、ロリィタにとってもマイナスだと思います。冠婚や正式な式典では、やっぱり駄目ですね。

 そうでなければ!!

 あとは、ロリィタ自身の挑戦にかかっています(笑)。ドレスコードがセミフォーマルなら、挑む価値は充分にあります。フォーマルでも、時と場合によっては可能かも知れません。結局は主催者の意向、裁量によりますが、ロリィタ自身もその場に相応しい工夫と創意で、乗り越えられるのではないでしょうか。
 繰り返しになりますが、上品なクラシカルや控えめなデコラティブをターゲットにして、キャラクターものや派手な甘ロリ、ゴスやパンクを回避することで、実現できると私は考えています。そうした中から、新しいロリィタのカテゴリーが生まれる可能性も私は垣間見ていますが、いずれにしても「駄目なものは駄目」とロリィタ自身が決め付けてしまっていては、きっとお寿司はずっと屋台料理だったでしょう。その壁を、誰かが破った結果なのです。

 セミフォーマルなロリィタ。これは、社会的にある程度理解されているということでもあります。反骨精神は原点にあったかも知れませんが、理解されてこそのファッションです。そもそもロリィタの美観や装飾に於いて、華美であっても醜悪ということは絶対ありませんよね。それは、ロリィタ自身が一番よく知っているはずです。それは決して個人主義でなく、他人にも理解できるものだと、私はそう信じていますし、私が信じずにロリィタなどできるはずもありませんから。


 
 

 

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Access Date/Time 24/03/19 20:16

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