Kunadonic ロリータファッション徒然草

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TPOをわきまえている?

 
 

 ロリィタにとって、特に始めたばかりの頃はどこまで許されるか、とても気を使うものですね。慣れてくれば、余程のシチュエーションでもなければ普段着として着られるとわかりますが、それでも奇異の目を乗り越える度胸のようなものは、少しずつ身につけるものでしょう。ここで意味するTPOとは、そうしたカジュアルシーンの話ではありませんね。

 最近特に問題となっているのは、写真撮影です。いわゆる絵になる洋館などで、コスプレ撮影を目的に場所を占有したり、大きな機材で他のお客様のご迷惑になるという事例が最近増えています。洋風建築ロリィタスポットの項で紹介している所でも、多少問題になっています。ロリィタファッションも、コスプレと同じ扱いをしている場合があります。これは、コスプレかロリィタかの問題ではありません。写真撮影そのものが迷惑行為だということです。

 そうした場所で撮影する場合は、必ず確認をするべきでしょう。TPO以前に、ロリィタの常識として心得ておくべき、大切なことかと思います。

 その際に、必ずしも理解を得られるとは限りませんが、一般的にこれはまずい、これをしなければ撮影してもいいと言われやすい、という事柄をピックアップしてみます。

  • 三脚・レフ板などの場所をとる大型機材を使わない
  • 館内や美術品の前などでのフラッシュ撮影をしない
  • アシスタントがいるような大人数でなく数名での個人的な撮影にとどめる
  • 撮影禁止の場所(特に美術品)では絶対に撮影しない
  • 場所を占有しない
  • 他のお客様を最優先にする
  • 係員の指示に必ず従う

 写真撮影には何かと問題が伴います。そういうものだという認識があれば、あらかじめ確認するのも常識ですし、駄目だといわれたなら残念ですが諦めて、自分の目だけで楽しみましょう。ロリィタがTPOをわきまえるとは、そういうことです。

 ただ洋館、特に地方では、ロリィタさんに歓迎的な所も多数あります。そうした所では気兼ねなく、写真撮影を楽しめるということも、付け加えておきます。ありがたいことに、そうした所はロリィタさんにとても理解があるのです。そうした場所がこれからもっと、増えてくれると嬉しいですね。

 そしてコスプレと違い洋風建築物については、ロリィタファッションに対して寛容なところが多いかと思います。現地の係員さんにとっても、豪華なお洋服のお客様は絵になると思っていらっしゃる方が、多数おられるのです。年配のガイドさんに「かわいいわね~」とお褒めのお言葉を頂くこともあります。そうした反応があれば、個人のスナップ撮影程度ならまず問題になりません。逆に無断で撮影していて怒られれば、ロリィタファッション自体が悪い印象となってしまいます。係員さんに一声かけたほうが、絶対得なんです。

 レストランやカフェでのお食事、普通の商店でのお買い物などで、問題になることはまずありません。ロリィタファッションは、一部のコスプレのように風紀を乱すものではないからです。ただ、完全に理解されていると思うのは早計ですね。嫌な顔をされる可能性はあります。その覚悟は絶対必要です。特に、格式の高い和食のお店や、反対に庶民的な屋台風情のお店などに、その可能性が些かあります。洋食のお店には少ないですが、それこそTPOでしょう。

 TPOの具体的は例としては、入社式などの式典は正装が常識です。ここにロリィタファッションが適当かどうかなんて、言うまでもないですね。洋式でのドレスコードについても同様で、フォーマル指定の場合は避けるべきですね。余談ですが、世界で最も格式の高い式典といえば、ノーベル賞の授賞式。最高の栄誉ですから、ドレスコードも最上級の夜間の礼服、男性は燕尾服(Tailcort)が指定されています。女性の場合はイブニングドレスですね。同伴の奥様が和装で参列されることもあり、その場合は五つ紋の色留袖が多いようです。このような式典でロリィタなんて絶対ありえませんので、ノーベル賞を受賞されたなら気をつけてください(笑)。フォーマルシーンでロリィタはないです。でも、正式な式典でない、セミフォーマルなパーティーや、友人同士の披露宴、同窓会、格式ばらないシーンでは、セミフォーマルに準じたコーディネートでロリィタに挑戦するのは、個人的にはアリだと思っています。

 コスプレで問題になっている話としては、トイレでの着替えなどがありますが、ロリィタさんならこれはないでしょうね。ただ、特に身障者用のトイレを長時間占有するなど、絶対に許されないことなので、そうした問題があることは知っておくべきかと思います。

 私が繰り返し話している、知的であることとは、そういうことなんです。何が歓迎されるのか、何が問題になるのか、という認識そのものです。確かに問題になること、歓迎されないことが多数あります。しかしながら、大歓迎です!という場面や場所もたくさんあるのです。せっかくそうした場所があるのに、自分から問題を起こしてしまっては、本当に損です。そうした認識こそ、ロリィタにふさわしいTPOを作り上げていくものと、私は信じています。

 
 

 

Since 2016 UPDATE 22/04/07 00:00
Access Date/Time 24/03/19 19:57

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