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ヴィンテージ(懐古)ロリィタ |
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既にロリィタの有名ブランドは二十年を超える歴史を誇っています。言い換えれば、二十年前にもロリィタ服があった訳ですね。現在とは違う、当時のロリィタ服を懐かしむ、所謂ヴィンテージロリィタ。懐古ロリィタが最近密かな賑わいを見せています。
現在のロリィタ服は、その多くが高度な印刷技術によるプリントが施された「柄物」が主流です。その種類は大別すると、複数の版を重ねて印刷する多色多版か、写真のような再現性を誇るインクジェットによるフルカラー印刷の、どちらかでしょうか。いずれも二十年前のロリィタ服には見られません。当時は、レースやフリルを多く用いた、所謂「無地物」しかありませんでした。柄物といえば、ゴブランなどの織物を用いるか、或いは高度な刺繍が必要でした。柄物のほうが高価だった?のかも知れませんね。少なくとも、柄物が主流でなかったことは間違いありません。
特にインクジェットによる柄物の進化は、目覚しいものがあります。どんな色でも印刷できますし、綺麗なグラデーションの再現はインクジェットでしか出来ません。たった一回の印刷で済ませることが出来るので、安く多くの量を生産できるのも特徴です。このインクジェット印刷でロリィタ服も作られることが多くなり、以前なら考えられない絵画のような、美しいデザインが短期間で作ることが可能になった訳ですね。同時に価格も抑えることが出来るため、その分をレースやフリルの細かい装飾に拘ることが出来ます。決してチープなわけでなく、むしろ値段の割にはより豪華であることも相違ないでしょう。
そうした潮流の中でも、無地物は健在です。どうしても手間がかかり、大量生産には不向きなため、限定的に作られることが多くなりました。価格も柄物の2倍近くになることもあります。それでも凝った意匠が施され、レースやベルベットなど高価な生地を用いることもあり、物によっては予約があっという間に埋まってしまう程の人気があります。そうした理由で、無地物が店頭に並ぶ機会は少なめですね。
そうした流れの中で、先のヴィンテージ、懐古趣味が俄かに盛り上がりを見せています。高度な印刷技術がなかった頃は、縫製技術やフリルなどのデザインに重きが置かれていましたから、今の無地物以上に素晴らしい出来栄えの物が数多く散見されます。中古店でも余り値落ちしていませんね。ロリィタメゾンから復刻と称して、突然再販されることも最近増えてきましたね。
一部の古参ロリィタさんたちの間では、懐古ロリィタをドレスコードとした懐古ロリィタお茶会などもあるようですね。当時のロリィタ服を今でも大切にされていることに、深く感銘すると同時に、それ程の長い期間ロリィタをされている熱意にも感動します。これからも、末永く大切にして頂きたいものです。 |
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