Kunadonic ロリータファッション徒然草

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ロリィタ用装身具雑学

 
 

 ロリィタファッションには、通常とはちょっと解釈の異なる用語が幾つかあります。一般的な解釈とロリィタファッションでの呼ばれ方を対比させ、解説を交えながら紹介してみたいと思います。

バッスル (一)ヒップを膨らませる下着。(二)ロリィタファッションのスカートの段フリル部。
●本来はヒップを膨らませる下着を意味します。バッスルパニエもそれに準じたものですが、これが流行したヴィクトリア時代のものはクリノリンのように骨組みがしっかりしたものが多かったようです。現在はハードチュールなどで作られるようです。これらのバッスルを用いてヒップを膨らませるバッスルスタイルを略して、バッスルと呼んだりもします。
ロリィタではスカートのヒップに段フリルのついたデザインをバッスルと呼び、スカートの前面に段フリルが付けられたものをフロントバッスルと呼ぶこともあります。この呼び方はロリィタファッション独特の表現だと思われます。本来の、ヒップを膨らませるバッスルスタイルも、ヴィクトリアンの集いでは人気があり、バッスルを自作される方も多数おられます。

頭もの(つむりもの/あたまもの)
●帽子や王冠、羽飾りなども含めた頭部の装飾品。ロリィタでは欠かせない頭ものですが、この読み方は正しくは「あたまもの」ではなく「つむりもの」です。ただつむりものと言って理解される事がほとんどなく、ロリィタでは専ら「あたまもの」、服飾業界でも大抵そのように読まれています。

コルセット (一)ウエストを細く絞る補正下着。(二)ゴシック系などのウエストを細く見せるアウター。(三)腰痛や骨折などの治療で使用する医療器具。
●中世~近代にかけて欧州で身につけられていた補正下着がコルセットです。下着なので、本来はドレスで覆い隠して見えないように着用します。現代では、ゴシック系などのファッションでアウターとして用いられることも多いです。アウター用のものは、レースや刺繍など装飾に拘り、美観も優れたものが見受けられます。一般的には通常コルセットといえば医療用で、アウター用としてのコルセットはマニアックな装身具と考えるほうが無難です。歴史的には、女性の社会進出と共に廃れ、補正下着としては素材の進化に伴い、ウエストニッパーやガードルがその役割を受け継いでいます。コルセットとしての存在意義は、アウターだからこそとも言えるのかも知れません。

ヘッドドレス (一)装飾性のある頭もの全般の総称。(二)ウエディングドレスの花飾りやベールなど。(三)ロリィタファッションの帯状などの頭飾り。
●一般的にはミニハットやボンネット、羽飾りなども含めた頭飾りの総称です。ロリィタファッションでは頭に乗せリボンを首で結ぶ帯状の飾りを特にヘッドドレスと呼び他と区別していますので、ロリィタでヘッドドレスといえばほぼ、この帯状の飾りだけを指します。間違ってはいませんが、ボンネットなどをヘッドドレスと呼ぶことはほとんどありません。

袖留め (一)袖の長いシャツの袖をたくし上げたり短く止めておくための装身具。アームバンド。フック式袖留め。アームガーター。(二)姫袖など広がった袖が食事などの際に邪魔にならないよう止めておくための装身具。カフス。(三)江戸時代の着物で成人した女性が振袖を切って短くし、縫い合わせること。袖詰め。
●一般的には長袖のワイシャツの袖をたくし上げるものを指す事が多いです。ロリィタファッションでは、レースなどの装飾のついたカフスをお袖留めと呼びます。ロリィタのブラウスは姫袖(ラッパ形状の裾が広がったもの)が多く、お食事の際などに邪魔になるためこれを用いて留めておきます。装飾性が高いため、半袖ブラウスでも飾りとして身につけるのもロリィタファッション独特の使い方です。

パニエ スカートを膨らませるための下着。
●一般的にはウェディングドレス、パーティードレスなどで用いられます。ロリィタファッションでは絶対必須の下着で、ロリィタファッションを象徴する装身具とも言えるでしょう。下着なので、基本的に見せるのは恥とされています。ロング丈のものにはスカートより長めの丈で、裾に見せる前提のレース飾りのあるものもあります。スカート丈を長めに調節したい場合などに便利です。Aラインの裾が広がるティアードタイプのもの、腰から膨らみを持たせる段フリル形状のものなど、数多くのバリエーションがあります。同じ目的の下着クリノリンとは区別されますが、バッスルスタイルに用いられるパニエをバッスルパニエと呼ぶことはあります。

ボンネット 顎の下でバルブ(紐)を結んで留める帽子。
●欧州の伝統的な帽子のひとつで、元来は既婚者のみが身につけました。つばが前部にのみついていて、後頭部を覆うフルボンネットと、覆わないハーフボンネットに大別されます。顎下で紐を結ぶのが基本ですが、ロリィタでは首の後ろで結ぶ事も多いです。ロリィタファッションの中でも象徴的で特に華やかな装身具です。凝ったハードボンネットは何枚ものレースフリルが縫い付けられ、花のコサージュや羽飾りなどを追加する方も見受けられます。デコラティブなスタイルを避ける人は身に付けないこともあり、好みが別れる装身具かも知れません。農業でよく用いられる女性用日除け帽子はボンネットによく似ていますが、これをボンネットとは呼びません。ただ恐らくルーツは一緒かと思われます。

リボンカチューシャ リボンのついたカチューシャ。
●ボンネットと並びロリィタファッションを代表する頭もののひとつ。エレガントな装身具ボンネットの対極にあるのが、リボンカチューシャです。幼さ子供らしさを強調するという意味でも、ボンネットとは対極的です。ロリィタファッションのリボンカチューシャは、他のものとは比較にならないほど大きなリボンが用いられています。

セプター 王笏(おうしゃく)。君主が持つ象徴的で装飾的な杖。宝珠と組み合わされているのが特徴。
●杖としては全く機能しない短い杖で、専ら見た目だけの目的で手に持つ装身具です。その目的も、本来は君主の絶大な権力を象徴するものです。ロリィタファッションでは主に写真撮影での装飾品として、或いは王妃や魔法使いに絡めたモチーフのひとつ、という解釈が多いようです。民主主義の世の中では使い道のわからないアイテムですが、こうした歴史や王制に則った華やかなセプターこそ、ロリィタならではの装身具であるともいえます。

ロゼット (一)植物用語で放射状を構成するもの。(二)バラの花をモチーフにした小円状の文様。バラ形装飾。花飾り。結んだリボン。(三) それらの装飾。シャンデリアなど。
●ロリィタファッションでは胸や帽子などに着けられるバッヂのような装身具を指します。元々はバラの花などの幾何学的な文様、レリーフに由来します。

エシャルプ (一)スカーフ。(二)肩帯。
●元来は戦士が肩から腰にかけていた帯ですが、現在では概ねマフラーやスカーフを指します。ロリィタファッションのエシャルプは日本の襷(たすき)に酷似していますが、由来も目的も全く異なります。

 
 

 

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